三鉄1,2番人気の橋上和司の実弟である。兄より背が高く理知的な顔立ち。小太り気味の兄と違い、引き締まった体躯、温和な顔つきで社内外女性陣に人気が高い。しかもリアル三鉄運転士である。キャラクター鉄道ダンシも素足で逃げ出すナイスガイである。
あの3・11は非番の日だった。エコポイントで買い替えた大事な液晶テレビを必死に押さえていた。家族は逃げた。無事だった。
「もう会社はダメかもしれない」不安がよぎった。翌日、金野本部長が叫んだ・「動かせるところから動かすぞ」。耳を疑った。涙が流れた。「絶対に地元に役立つんだ」と強い意欲が溢れてきた。5日目の運行再開。運転士を務めた。兄がNHK「あまちゃん」で遊んでいる間も、お客様のために走り続けた。その後、応援者が後を絶たない。フル稼働の日々に幸せを感じた。4月6日。悲願の運行再開。ホームに人が溢れた。車内も身動きできない人で埋まった。苦情が来るものと思っていたら、混雑の車内から「頑張れ」の声が響いた。涙で運転席の前が見えなくなった。こんなに素晴らしい仕事をしている誇りを胸に、弟橋上武司は、兄のテレビ出演を横目に、列車の運転席にいる。