「幹部シリーズ 三鉄スター」 総務部長 村上 富男 52歳
三陸鉄道には、震災後特に取材が多くなり運転士などスター選手が数多くいる。もっとも知名度が高いのは望月正彦社長だ。スターと言っても、三鉄職員は朴訥で気取らず、地道でコツコツと仕事に邁進している。そんな中、あまり表にでることなく、コツコツと会社の総務関係を仕切っているのが総務部長の村上だ。
村上家は鉄道一家。父や兄は国鉄マン。そのため何の迷いもなく三鉄へ入社。様々な部署を渡り歩き現在は総務部長として経営の一翼を担っている。本人は、中学生のころは眉目秀麗で学業優秀、背が高く足も長かったので大船渡中の女子中学生の憧れだったはず、と回顧している。地味な村上らしい思い出だ。中高校とバレーボールに没頭し、毎日厳しい練習をこなし、モテようとして腹筋、腕立てなど特に女子生徒の前では大粒の汗をかきながら腹筋運動をした。そのせいか腹筋は今でも6等分、体脂肪8%、ふくらはぎは筋肉の塊。それを見せたくてすぐ服を脱ぐが、女子社員は気持ち悪がって逃げてしまうので、立派な体を披露するチャンスがない。
その美しい身体(本人談)の維持は、年齢とともに部分的にほころびが出てきている。特に口元の筋肉はなくなりつつある。激辛ラーメンを食べると、口の筋肉が弱く、白いワイシャツに真っ赤な汁をべたべたと飛ばし、クリーニング不能となる。それでもめげずにカレー南蛮蕎麦などを食べ続けている。根性はある。
サービス精神は旺盛で、特に会社のためならどんなサービスもいとわない。ある時は「松山千春」となり、ある時は「福山雅治」になる。カラオケはマイクを話さない。心優しき鉄道マンだ。