元気に退院、にゃんこ駅長

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三陸鉄道を勝手に応援する会は、会員や県庁職員の応援を受けて、三鉄の各駅に動物駅員を設置する運動を続けています。彫刻は会員の植野義水先生。ボランティアの制作です。

大船渡盛駅には、特産の「大船渡サンマ」を高々と掲げた3匹の猫駅員がいます。ところが寄贈まもなく、大嵐の強風で体に損傷を受けました。「さあ大変」と三鉄職員(人間)が植野先生の修理工場に緊急入院させました。植野先生、自ら奥さまと引き取りに来られ、大船渡の宿に泊まり山海の珍味、魚介類を堪能したそうです。震災から3年以上たった今、ほとんどの食材が元通り戻っています。しかし食材が戻っても、調理や加工する人たちは十分には戻っていません。せっかくの最高品質の食材も、さらに磨きをかける職人さんがいればこそ育っていきます。

動物駅員に磨きをかける職人さん、植野先生の手にかかり、立派に完治して戻ってきた猫駅員さんたち。三鉄の南リアス運行部の社員たちが、「今度こそ絶対に倒れないように」と台座などを補強し、がっちりとくくり付けました。猫駅員たちもうれしそうに笑っています。

盛駅の猫駅員のほか、吉浜駅には「キッピンアワビを担いだ猫駅員」がいます。釜石駅には、ラグビー猫選手15匹と監督が、巨大なラグビーボールの上に乗っています。久慈駅、普代駅、田野畑駅、山口団地駅、宮古駅と合計8駅設置。猫ばかりではありません。ウサギや短角牛もいます。三鉄全26駅にはまだまだですが、少しずつユニークな動物たちを着任させていきます。

2014.10.10盛岡タイムス掲載