5月の初めに、三鉄の望月社長と恒例の山菜採りに出かけました。「やませ」もなく快適な日和で心地よい汗をかきながらの探索です。三陸沿岸は、本格的な山奥に入ることなく、道路の横で「楽に採れる」のがすごいところです。コシアブラはツヤツヤした緑鮮やかな上等のものをレジ袋いっぱいに収穫。タラノメは、三鉄沿線の山道沿いを走りながら集め、こちらもレジ袋が満杯となりました。沢に降りて葉ワサビも採りました。コゴミも適度な伸び具合でしたが、こちらも太くて立派です。
とはいえ、探して採ってくるのは望月社長。私は安全な道路から一歩も、やぶに入らずに待っています。大量に山菜を抱えて戻ってくる望月社長から受け取る係です。実に楽で安全で楽しい係なのです。
で、そこからが私の本領発揮です。料理です。私は大半の人が「山菜は、てんぷら」と言いますが、油をあまり使わない料理に徹します。写真は「野菜ぎっしりウインナーとタラノメのオリーブオイル炒め」です。最初に緑を濃く出すために、タラノメをグリルで焼き、焦げ目をつけておきます。次にウインナーを炒め、そこへタラノメを投入。味は塩味に軽くペッパーをかけるだけ。このシンプルさがタラノメの味を引き立てます。この単純で手の込んだ料理に合うのは、やはりドライ味のビールです。ぐっと一杯飲んで、ポリポリとタラノメをかじる。春の幸せを感じるひとときです。自分で採った山菜のうまさは格別です。
コシアブラは、いつも振り掛けを作ります。軽く湯がいて固く絞り、みじん切りにしたところへ、みそを酒で溶いて混ぜます。そこへゴマと塩とかつお節を混ぜて「ぱらぱら」となるまで優しく指でかき混ぜます。これを豆腐にかけたり、炊き立てのご飯にかけていただきますと、それはそれは天国の味になるのです。三陸の海岸近くの山々の山菜がなぜおいしいのか、それは潮風、まさに潮風宅配便なのです。