絶好調「三鉄情熱復活物語」

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盛岡はおろか、県内の書店に大きなポスターがどかーっと貼られています。「三鉄情熱復活物語」の発売PRポスターです。三鉄ブルーの鮮やかな色彩が目立つイラストは、盛岡在住のオガサワラユウダイさんの作品です。本の表紙と一緒で、甚大な被害のあった島越駅が復活したイメージを描いています。

東日本大震災は、多くの悲喜こもごものドラマを生み出しました。その中で、必死に復旧に取り組んだ三鉄職員。苦しくても前向きに進む社員それぞれの姿が浮き彫りになっています。わずか5日で運転を再開。誰もが「三鉄はもう終わり」と想像していたころ、「会社の存続より地域が大事。地域の足として動かすぞ」の大号令のもと、一致団結して復旧に取り組みました。苦しくても明るく、真っ暗闇の中でもジョークを飛ばし、励まし、助け合ってきた3年間。そしてその三鉄を応援してきた会社や個人の姿などが網羅されている貴重な証言も含まれた読み物です。

やや薄ら笑いをしながら本を手にしている総務部長の村上さんも登場します。震災直後は真面目な顔でしたが、最近はニヤケテいます。ネジが外れたままです。この本の出版には、岩手県書店商業組合が全面的にバックアップしてくれました。表紙の推薦文は、達増知事です。形だけの推薦文とは異なり、粗原稿から全てを熟読してきた達増知事ならではの温かな感想が述べられています。先日、三鉄の幹部職員をご招待した「三陸鉄道を勝手に応援する会・出版お祝い会」を開催しました。達増知事は「素晴らしい内容の本で裏話も満載。一家に一冊じゃなく、一人一冊」と大いにPRしてくれました。

単なる社員を褒めたたえる美談本ではなく、その時に誰がどんな行動をしたか、などこれからの災害にも役立つ事例集でもあります。後ろには、三鉄の30年の歩みの年表と、今まで支援してくれた方々のお名前がびっしりと載っています。もしかすると皆さまのお名前も載っているかもしれません。

2014.8.29 盛岡タイムス掲載