当然社内のひがみを一手に集めた大器である。名前は鯛と希。「あまちゃん」のあとは「まれ」。ついている男だ。NHK「突撃あっとホーム」はこの写真。もっとも目立つ場所にいた。NHK[おかあさんといっしょ]や「AKB48・恋するフォーチュンクッキー」でもセンターをゲットした。大柄な体躯に軽妙なリズム感。テレビ局の担当ディレクターも「どうしても外せないキャラ」らしく、ついメインになってしまう。あの能年玲奈ちゃんが突然登場した時は、すべての練習成果を忘れ、とまどい、目が点になり、次に浮ついてしまった。周囲とまったく合わない踊りでも爆笑される人気者なのだ。先輩たちがいくらひがんでもかなわない。社内一のイジラレキャラである。かまってもかまってもこの笑顔。
震災後、ある冬の時。北リアス線が豪雪被害に見舞われ、遠路南運行部から駆け付けた。雪の重さで倒木した大きな木が倒れたまま凍っていた。チェーンソーでトライしたのが鯛希である。凍った表面にチェーンソーが跳ね返り、自分の太物にあたった。瞬間真っ白い雪面が真っ赤な鮮血。救急車で病院に運ばれたが幸い足の切断は免れた。何重にもはいていた衣服に守られたのである。運も強い。
地元消防団に属し、火災や災害があれば何時でも真っ先に駆け付ける。
子供二人のよきパパとして、鯛希は今日も元気に裏方作業。列車の安全運行のために奮闘する毎日である。