日別アーカイブ: 2015年1月16日

三鉄「熱き男たちシリーズ」 ニヒルなナイスガイ 三鉄の「高倉健」 岡本 準 50歳

2015011602

背が高い。体躯は高倉健と瓜二つだ。風貌が似ている。「不器用ですから・・」と小声で言うが、担当の施設管理部では担当部長として仕事はきっちりと器用にこなす。

出身は大槌町。東日本大震災で壊滅的打撃を受けたところだ。小学校時代は、品行方正、謹厳実直、スポーツ万能だった。大槌の神童と呼ばれた()。中学校時代は、身長がありバレーボール部のエースとして活躍した。そのころから甘いマスク、物静かな仕草からかなりモテたらしい。やがて釜石工業高校電気科へと進学。電気科での学びがその後の三鉄の専門家「電気屋岡ちゃん」と呼ばれるエキスパートへと成長する元となった。

同期に同じくらいの身長のある総務部長の村上がいる。こちらも浜一番モテた。(ともに本人談) 「俺は段ボール一つラブレターもらった」「おれは軽トラ一杯かな」と良く二人で言い合う。二人とも今はあまりモテない。

豊富な電気、通信の知識、経験は社内随一だ。北リアス線、南リアス線、すべての電気技術者として一目置かれている。部下の指導は厳しい。「プロである以上、中途半端な仕事はするな」と高倉健のように叱る。部下は「怖い」という。面倒見もいい。だから頼りにされる。

無口、寡黙、職人風だが、泣き虫でもある。「娘に会いたい・・」とつぶやいて泣く。酒を飲んでも娘を思い出して泣く。単身赴任が辛いのではなく、娘に会えないのが辛いのだ。愛娘の自慢を話すと、約2時間は話せる。止まらない。部下も「何度同じことを聞いても、初めてのように聞きます」と心得ている。

釜石では、郷土芸能の「虎舞」の名手。地元の太鼓グループのメンバーでもある。こよなく三鉄と娘と郷土を愛するナイスガイである。

 

三鉄「熱き男たちシリーズ」秘めたる闘志編 畑村 誠

2015011601

三鉄社員には奇人変人が多い。畑村もそのカテゴリーに入る。真面目な雰囲気を醸し出している写真。静かな海の如くゆったりとしている。眉毛が八の字になっているが、これが正装の顔だ。

畑村は、久慈で生まれ育った。中学時代は卓球の選手だった。しかし地区予選敗退が続き、県大会には進めず、とうとう他所の街を知らずに育った。久慈高校は土木科。極めて優秀な成績だった。(未確認) 生まれて初めて県外に出た。千葉県の土木会社に就職したのだ。生まれて初めて見る大都会。東京を経て千葉へ。久慈市より大きな街に圧倒された。人間の数が「アリの群れ」のように途方もなくうごめいている。ここは日本なのだろうかと久慈市とのギャップに悩んだ。「おら、やっぱし久慈がいい。しかも憧れの三鉄さはいるべ」とシティボーイを投げ出してUターン。平成5年。優秀な成績(未確認)で三鉄へ入社。涙と鼻水が同時に出る喜びに浸った。

 

外見とは異なり、煮えたぎるマグマのような情熱がある。何よりも三鉄の仕事が生きがいになった。施設担当として優秀な頭脳がフル回転。久慈から大船渡までの線路は、隅々まですべて頭の中に入っている。トランプゲームの神経衰弱は無敵だ。すこぶる記憶力がいい。三鉄の人間USBと呼ばれている。上司の欠点や失敗などもすべて脳内にインストールされている。「はたむらさ~ん」と猫なで声で媚を売る社員は、何らかのデーターがストックされていると見て間違いない。

酒は強い。なんでも飲む。飲むと口を開く。もう一杯飲むと無口から滑舌に変化する。さらに飲むと話は止まらなくなる。ただしくどくはない。笑い上戸の楽しい酒である。

趣味は釣り。腕前は「櫛桁より上、小田は問題外」という評判だ。恐るべし。53歳。見た目より若い。