月別アーカイブ: 2014年8月

島越駅復活、名物駅長も復活

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津波で大きく破壊された島越地区。三陸鉄道島越駅も12㍍もの強固なコンクリート橋脚や駅舎がことごとく破壊されました。島越地区の住宅は、ほぼ全戸が流出し、27年間、民間の駅管理者として頑張ってきた早野くみ子さんも自宅を消失しました。命からがら逃げ延び、仮設住宅暮らしを経て、本年6月に真新しい駅舎で再度、勤務に就きました。

島越駅のホームは、これ以上頑丈にできないと言われるくらいの堅牢(けんろう)な築堤となりました。宮沢賢治作品から命名されたカルボナード島越駅は、青い屋根、童話の世界のような建物が人気でした。土台を残して全てが消え去りました。宮沢賢治の石碑だけが奇跡的に残りました。海と直角に建っていたから壊されなかったようです。

新しい駅舎は、そのイメージを残し、れんが造りの立派ですてきな駅舎として生まれ変わりました。地域の住民で運営する駅業務の責任者に、再び早野さんが就任しました。早野さんは、三鉄の開業時からずっと駅業務をしており、三鉄1期生の社歴と全く同じです。震災の空白の3年を含め、30年目に再就任となりました。島越駅は、開放感にあふれ、清潔で快適な駅舎です。

三陸鉄道の人気で、毎日多くの観光客がこの駅を訪れます。そのつど一生懸命にお客さまと会話を交わし、いろいろな案内をしています。「まさかもう一度、この駅に立てるなんて、夢のようです」と大津波を振り返り涙ぐみます。

島越駅の目の前にある港から、大型の新造船が就航しました。大人気のサッパ船アドベンチャーに乗れないようなお年寄りや小さいお子さまには、大型で快適な船旅(80人乗り)が人気になりそうです。島越地区の復旧整備はまだまだ時間がかかりそうですが、ピー、という汽笛の音とともに車両がホームに滑り込んできます。震災前の風景です。早野さんあっての島越駅です。いつまでもお元気で、三陸鉄道とともに頑張ってください。

2014.8.22 盛岡タイムス掲載

山田夢プロジェクトに2回目の遊覧船寄贈

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当会から遊覧船(仲介)と船外機を寄贈した山田夢プロジェクトは、寄贈された船を使って山田湾の観光クルーズを行っていました。「絆船クルーズ・はんせんクルーズ」と名付け、被災した山田の観光復活を願う青年たちの取り組みです。

 

その第一号が、湾内の沈下岩礁に衝突し、修復不能の事故を起こしました。幸い乗船者に怪我は全くなく、船だけの破損でした。この船は、震災後沖縄の漁師から寄贈を受けたものですが、東北の海の漁には使えず、活用方法を模索していたところ、当会会長に相談があり、湾内遊覧なら可能として、当会が仲介し寄贈しました。また動力の船外機は、震災後は品薄となり高価であったため、自前の調達は無理だったため、当会の資金から購入し寄贈した経緯があります。今度の事故では船外機は無事でしたので、舟だけの調達となりました。

 

震災後沖縄からの小舟は、宮古市議の橋本氏(NPOみやこマリンフィールド代表)が管理していましたが、1捜保管して残っておりました。(本来は当会会員が普代村くろさき壮で使用予定)

その残っていた船を、8月21日山田夢プロジェクトに仲介、進呈いたしました。

船の保存状態は良く、すぐにでも走行可能です。今後海事事務所への届け出などを済ませ、再び美しい山田湾を疾走することになります。有料ですが、誰でも観光遊覧が可能です。お問い合わせは山田夢プロジェクト(ネット検索)に

三陸鉄道 絶好調

会長ブログ

夏休み以前から多くの観光客が押し寄せていましたが、特に7月に入り、連日乗車率が150%超える日も珍しくなく、団体予約は10月まで一杯で、キャンセル待ちもあるほどです。

朝8:15分の宮古駅発の列車には、市内のあちこちに宿泊した人たちが、高価なカメラを片手にバックパックを背負い乗り込んできます。当会が寄贈した宮古駅の「落ちないにゃんこ神社」も大人気で、記念撮影をする人が後を絶ちません。中には「まるで山手線」と怒る人もいますが、大多数は「人気があるから仕方ない。むしろ混雑を応援しましょう」と好意的です。

三陸鉄道の経済波及効果は極めて大きなものがあります。三鉄に乗るため、東京から新幹線に乗ってやってきます。そこからJR山田線か106号バスで宮古へ着くルートと、新幹線で二戸か八戸を経由して久慈へ行くルートがあります。いずれにしても新幹線を使うことは間違いありません。

現地に入った人たちは、それぞれホテルや民宿に泊まり、飲食をしてお土産を買います。6月から9月まで、沿線のホテル、旅館は常に満室に近い状態が続いています。団体ツアーも多く、それらもまた同じように地元へお金を落としてくれます。三鉄の北リアス線の宮古から久慈までは1980円ですが、地元へ落としてくれるお金は、その10倍以上になります。まさに三鉄が地域活性化の救世主と言えます。

会員の皆様も、それぞれに訪れて三鉄応援をしてくれています。時々、当会の名刺を持った会員さんに宮古駅などでお会いします。

9月から10月にかけては、初秋の素晴らしい景観が楽しめます。冬に入ると名物の「こたつ列車」も走ります。快適な新型車両は、窓も大きく、バリアフリーのトイレ常設など、設備も格段とグレートアップしています。それでも「あまちゃんファン」は、旧型車両(テレビ放映の車両)がお目当てで、「毎朝、この列車を見ていた」とシャッターを何度も押します。

会員の皆様、9月に入ると幾分混雑は少なくなりますので、ぜひ三鉄乗車で応援してください。

会長 草野  悟

一般社団法人 いわて復興塾 9月セミナーのご案内

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(社)いわて復興塾(達増岩手県知事塾長)は、大震災復興に携わる各界のエキスパートの横の連携を深め、専門分野以外の活動を知ることで、より俯瞰的に復興に取り掛かることを目指して設立されました。

1月から毎月セミナーを実施。全国の著名な講師陣を招き勉強会を行ってきました。第9回のセミナーは、当会活動に大変参考になるテーマです。「三陸沿岸の観光戦略」で、主要交通事業者代表が「我社の三陸沿岸の観光戦略」として講演し、参加の受講生とパネルディスカッションを行う興味ある内容です。

三陸沿岸は、震災から3年半。まだまだ街らしい景観が戻っていないところが多数あります。特に宮古市から南部エリアは、山田町はじめ大槌町(吉里吉里・鵜住)、釜石市・両石地区など、街並みは程遠い状況です。特に、JR山田線(宮古―釜石間)は、復旧のめどさえついていません。

そこで、三陸鉄道 望月社長、JR東日本盛岡支社 嶋支社長、岩手県北バス 松本社長の3者が講演します。上記の写真は、JR陸前山田駅前の被災直後の写真です。山田町は、この駅前を中心に再開発を進める計画ですが、肝心の鉄道の復旧は、今後のJRと三鉄の交渉にゆだねられています。二次交通の主力であるバスも重要な役割を担います。

現在の見通しでは、JRが三鉄に運行を移管するプランで、知事も後押ししています。実現すれば、大船渡盛駅から久慈駅まで一本でつながり、久慈駅から八戸までは、現行のJR八戸線でつながり、ほぼ三陸沿岸を縦貫します。

三陸の中心都市である宮古市には、山田、大槌方面から多数の高校生が通います。現在はバス通学と、とても苦労しながらの通学です。いち早く鉄道の復活を望む声が絶えません。ただ、管轄する山田町、大槌町は将来赤字路線として町の負担が増える懸念を持っており、沿線市町村の足並みはまだまだ遠いところにあります。

そこで、この交通事業者トップセミナーの意味があります。それぞれにどんな戦略を持って、被災地である三陸の観光、生活復活に取り組むのか、貴重な話が聞けます。さらに、参加の受講生と交通事業者3名の質疑応答を設けています。受講生から直接質問を受け、3社が答える内容です。コーディネーターは、当会の会長で、岩手県中核コーディネーターの草野 悟会長が務めます。開催概要は下記の通りですので、興味ある会員の皆様は、参加希望を事務局までご連絡くださいませ。

 

第9回セミナー

9月27日土曜日 会場 岩手大学キャンパス内 銀河ホール 定員あり

開始 13:30から

第一部      3者講演 各社30分

第二部      受講生とのパネルディスカッション 60分

第三部      塾長他講師陣との懇談会(簡単な食事、アルコールあり)

 

会費 2000円 (懇談会費用)

 

申し込みは 8月末まで 三陸鉄道を勝手に応援する会事務局まで

うれしい心配りの三鉄

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大阪に転勤になった友人のまき君が電話で、「もうクタクタ。朝の9時なのに35度を超えたんですよ。そっちはどうですか」と聞いてきました。「うん、いまは爽やかな潮風で、気温は22度くらい。少し暑いかな」と答えますと、「もう、いじめないでくださいよ」と悲痛な声を上げました。三陸沿岸の気候は、首都圏から見れば理想の避暑地。日中に30度近くなっても、朝晩はクーラーは要りません。

いっそのこと、東京や大阪、群馬などの猛暑地帯に住む人たちは、こぞって岩手に移住すればいいのにと真剣に考えていきますと、「そうか、交流人口より定住人口が一気に増えて、2040年に消滅するぞ、なんて予測とは無縁になる。だったらのんびりと、インターネットはやめて糸電話にして、三鉄も最高速度25㌔。のんびりとした大都会ができるな。」なんて妄想を描いて一人ニンマリしてしまいます。

という妄想は別にしまして、三鉄宮古駅は、緑のカーテンが2階まで届いています。駅前の景観に一服の涼を作っています。ゴーヤもキュウリも社員が毎日一生懸命、愛情を注いできましたので、みずみずしい実がたくさん付いています。よく見ると、左側の手すりにはさみがあります。文章も書いてあります。「どうぞ自由に収穫してください」と。なんという太っ腹なサービスなのでしょうか。住民の皆さんも心得たもので、全部独り占めにするようなことはしません。1、2本いただいて、無人の緑のカーテンに軽く会釈しています。「ありがとう」と言っているのですね。三陸沿岸の爽やかな風は、人々の気持ちも実に爽やかです。決してあくせくせずにのんびりと。ゆったりとした時が流れていきます。

もっとも三鉄の望月社長は、全国からの講演依頼で大忙し。「たまにはのんびり」は許しません。大事なPRマンですから、せっせと稼いでいただきます。山菜採りと釣りと仕事で真っ黒に日焼けした望月社長。頑張ってください。

2014.8.15 盛岡タイムス掲載