月別アーカイブ: 2014年7月

毎日お見送り三鉄絶好調

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「いってらっしゃーい」と元気に手を振るのは、三陸鉄道宮古本社の社員の皆さんです。列車が見えなくなるまで、こうしてお見送りをします。新型のお座敷列車の中では、団体客の皆さんが三鉄社員に手を振っています。実にいい光景です。
三陸鉄道は、全線再開通後、ひっきりなしに観光客が訪れています。目立つのは中高年のご夫婦です。キャリーバッグやバックパックスタイルが主です。朝の8時、続々と駅に集結してきます。皆さん宮古や久慈市内のホテルに泊まり、朝一番の列車を目指します。東京から来たお客さまが、「ほんとにローカル線か」と半ばあきれ顔で言いました。それだけ混んでいます。でも、この混雑も「人気があっていいね。来てよかった」と褒めてくれる方もたくさんいます。人気は、必ず落ちてくる、は定説ですが、三鉄職員は、その人気だけに満足しているわけではありません。次も来てもらいたいと、リピーターになっていただけるよう全力でサービスに努めています。
南リアス線での出来事です。盛から乗車し釜石駅に降りたご夫婦が、テレビに数多く出演していた運転士を見つけ、記念撮影をお願いしたそうです。もちろん快く応じました。そのお客さまは、東京に帰るため、JR釜石線で花巻に向かう同じホームの反対の列車に乗り込みました。後日、丁寧な礼状が届きました。「運転士さんが、JRの列車が見えなくなるまでホームで手を振っていてくれた。とても感激でした」と。
心からのホスピタリティーは、決して社交辞令的マニュアルでは表現できません。朴訥(ぼくとつ)で、やぼったくても、真剣に向き合うからこそ心が通うのです。三鉄の会社では、特にサービスの教育をしてはいないそうです。望月社長は、「社員の自主性に任せています。数多くの礼状や励ましのお手紙を頂いていますが、ほとんどが社員個人に対してです」と話してくれました。これこそ本物の「お・も・て・な・し」ですね

2014.7.25 盛岡タイムス掲載

 

皆様にお願い

ギフト

三陸鉄道が頑張っています。すでに中元時期は過ぎていますが、三鉄ギフトにご協力ください。三陸鉄道は、沿線地域の活性化に一生懸命に取り組んでいます。ギフト商品は、どれも沿線の小規模加工会社の商品です。また三鉄独自の開発商品もあります。パンフレットご希望の方は、事務局までご一報ください。すぐにお送りします。

列車の中で勉強会

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三陸鉄道の新型車両が大活躍です。クウェート国から8両寄贈を受けました。この新型車両の中で、三陸鉄道の望月社長がお話しています。授業を受けているのは、宮古小6年生の皆さんです。列車の前にスクリーンを取り付け、写真をたくさん使い分かりやすく説明しています。なぜ三鉄は復旧できたのか、その時にどんな行動が役に立ったのか、地域の住民の方はどうしたのか、など40分ほど一生懸命に話してくれました。

6年生の児童さんたちは、時々カメラを向けて資料を写したり、メモを取ったりと真剣に学びました。大人でも40分間の講演を聞くのは大変ですが、宮古小の児童さんたちは、真剣に向き合っていました。恐ろしい現実、それにいかに立ち向かっていくかを社長の生の声から学んだことでしょう。

望月社長は、全線再開通後、全国各地を飛び回り講演活動を続けています。全国へ出向くことによって、三鉄の大きなPRにつながります。講演を聞いた全国各地の方々が大勢訪れてくれます。

望月社長は、「何よりも地域のこれからの若い人たちが、いかに郷土を大切にし、次の災害に備える心構えと、震災で大きく破壊された故郷を再生してくれるかがもっとも大事」と話しています。

三陸鉄道の人気は高く、満員列車が珍しくありません。過去、例のない乗車率です。しかし、最も経営を支えてくれている「通学の高校生」が激減しています。三陸から人がどんどん流出している現実があります。当然、将来の不安要素です。

2014.7.18 盛岡タイムス掲載

よわい重ねる、から若返る

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なんということでしょう。「誕生日のプレゼントがあるから送るよ」と、お二人のご高齢の友人から電話がきました。この歳で誕生祝いなんて恥ずかしいのですが、やはり小さい時の「ハッピィバスディツーユー♪」をつい鼻歌交じりで口ずさんでしまいます。

お一人は、直利庵の松井親方。「とびっきりの親子漬け」と「酒盗と新潟のガンズリのイカの切り込み」がプレゼントです。サケの親子漬けは、上等な特製だしにピンク色した切り身と氷頭(ひず)、それにイクラがたっぷりと入っています。普通は秋サケの獲れる冬に作るのですが、いつも新鮮なサケが手に入る直利庵。初夏に作ってくれました。氷頭はコリコリと音を立て、イクラはプチッっと弾けます。軟らかなサケの身と一緒に口に運びますと、「あ~、誕生日が来てよかった」とヨダレまみれで幸福感を味わいました。「よし大事に、少しずつ食べよう」と親方に感謝しながら箸を進めましたら、あっという間に大きめのタッパーウエアに入った親子漬けが半分に減ってしまっていました。「誰が食べたんだ」「自分でしょう」と独り言。

もう一人のプレゼンターは、熊ケ井旅館女将(おかみ)熊谷晴子さん。夏色のシャツが好きな私のために、すてきな夏用スカーフ(男物)をプレゼントしてくれました。さすがに、これだけは自分を写すわけにはいかず、お見せできないのが残念ですが、白いシャツに映えるちょっと大人のムードがにじみ出る、かっこいいスカーフです。石田純一みたいか、中尾彬みたいか、どっちにも似つかわない「ダサさ」が売りの私ですが、夜の街に飛び出す日を夢見て大事に飾っています。

で、この二人。親方と熊谷晴子女将。実は幼少からの知り合いだったのです。直利庵の裕子女将が小声で「実は、うちの社長の初恋の相手だったのよ」と嫉妬とはすでに無縁の御年ご令嬢がつぶやきました。皆さま、ありがとうございました。

2014.7.11  盛岡タイムス掲載