潮風宅配便 「 中村雅俊さんの応援・まもなく全線復旧 」

潮風宅配便「中村雅俊さんの応援・まもなく全線復旧」

取材をしているのは俳優の中村雅俊さんです。中村さんはお隣宮城県女川町が故郷。大きな打撃を受けた町の一つです。そのためか、被災地への思いは人一倍強く、この日も「ここの島越の方々は本当にご苦労されているのでしょうね」と優しく思いやりをかけて頂きました。写真の背景は、津波で壊滅した島越駅のホームの造り直しをしているところです。低気圧の影響で沿岸は大雪となりましたが、4月の復旧へ向けて休むわけにはいきません。極寒の中、黙々と除雪をしながら築堤工事を進めています。中村さんは、以前のカルボナード島越駅の美しい写真も見ています。奇跡的に残った宮沢賢治の碑、発動汽船の詩を読み、「なんてすごい奇跡なんだろう。この碑はずっと語り継がれる宮沢賢治さんからのメッセージですね」と感慨深くずっと立ち続けていました。「この大震災を3年経ったからと言って、人々の記憶から消すようなことは絶対にダメですね。忘れずに大事な教訓として伝え続けることが大切ですね。継続こそ大事なキーワードなんです。」と熱く語ってくれました。まったく同感です。まだ3年しか経っていません。その間の被災者の方々、被災地の方々の辛苦は、とても表現することすら出来ない厳しいものです。応急仮設住宅での生活もまもなく3年。隣の音がすっかり聞こえる薄い壁の中。夏は暑く冬は寒い仮設の家。耐えながら復旧を待つ日々です。

「三陸鉄道がもう一度走ってくれることが私たちの希望です」と島越の住民のお一人がつぶやきました。もう一度津波がきても、今度は絶対に壊されない頑丈な堤防を造り、その上にレールを敷こうと設計された島越。まもなく試運転の真新しい列車が走ります。できれば暖かな春風に乗って走ってもらいたいと願っています。沿線の人たちの期待を受けて復活する三陸鉄道。4月6日全線再運行までもうすぐです。小旗を振って喜ぶ人たちの姿が浮かびます。中村雅俊さんのお人柄に触れた一日でした。わざわざお越しいただきありがとうございました。