三鉄ぽっぽ屋「花形運転士シリーズ」ニヒル風 鈴木 浩(ゆたか) 48歳

20150203

実は、通学女子のNO1人気男。(だった) 笑わない。ニヒル風である。専任運転士というより、運転指令と半々の業務で、リーダーシップ抜群の男気、菊池運転士のような女っぽいところがない男の中の男なのである。責任感が強く、地元消防団の専任班長も務めている。

男気エピソードも多い。大船渡高校2年の時に、野球部が初の甲子園。なんとベスト4まで進んだ。鈴木も応援に駆け付けたかったが、応援歌の練習をさぼり、唄えなかったので行けなかった。野球部の友人から「甲子園の砂」をもらった。男気から、その場でふたを開けたら逆さまになってしまい、砂が流れ落ち、その場で消滅した。砂は儚いと知った。

家は、大船渡市の中ではもっとも山奥に位置する幽谷の中。日頃市町。人はあまり住んでいない。水道は自然水を使っている。蛇口をひねったら、水と一緒にサンショウウオが出てきた。嫁さんが気絶した。男気を出して嫁を抱きかかえた。熊の出没は日常的で当たり前。熊と目が合い、男気を出してすごみあった。負けた。

男気は日常生活でも発揮されている。勝負事が好きだ。パチンコ、麻雀、将棋、ゴルフ。常に賭けている。遊び人ではなく、勝負師なのだ。金は溜まらない。

昭和60年4月に三鉄へ入社した。駅業務、車掌、運転士、指令と順調に進んできた。震災では、三鉄の復旧と消防団復旧業務と連日連夜働いてきた。頭脳より体力で貢献するタイプのため、肉体労働は苦ではない。震災後、もう一つの第三セクター岩手銀河鉄道に平成24年に出向。翌平成25年に三鉄へ復帰。

三鉄の地域貢献事業の一つに「駅‐1グルメ」がある。その取材は鈴木が大船渡エリアを担う。足を棒にしながら気仙沼、陸前高田、大船渡の飲食店を探し回る。あきらめないのが身上だ。鈴木が発掘した被災店舗で生き返った店も多い。男気なのだ。

男気家族は、妻一人。子供二人。母一人。結婚16年。妻は熊に立ち向かえるようになった。妻は男気を操っている。