三鉄「熱き男たちシリーズ」 ニヒルなナイスガイ 三鉄の「高倉健」 岡本 準 50歳

2015011602

背が高い。体躯は高倉健と瓜二つだ。風貌が似ている。「不器用ですから・・」と小声で言うが、担当の施設管理部では担当部長として仕事はきっちりと器用にこなす。

出身は大槌町。東日本大震災で壊滅的打撃を受けたところだ。小学校時代は、品行方正、謹厳実直、スポーツ万能だった。大槌の神童と呼ばれた()。中学校時代は、身長がありバレーボール部のエースとして活躍した。そのころから甘いマスク、物静かな仕草からかなりモテたらしい。やがて釜石工業高校電気科へと進学。電気科での学びがその後の三鉄の専門家「電気屋岡ちゃん」と呼ばれるエキスパートへと成長する元となった。

同期に同じくらいの身長のある総務部長の村上がいる。こちらも浜一番モテた。(ともに本人談) 「俺は段ボール一つラブレターもらった」「おれは軽トラ一杯かな」と良く二人で言い合う。二人とも今はあまりモテない。

豊富な電気、通信の知識、経験は社内随一だ。北リアス線、南リアス線、すべての電気技術者として一目置かれている。部下の指導は厳しい。「プロである以上、中途半端な仕事はするな」と高倉健のように叱る。部下は「怖い」という。面倒見もいい。だから頼りにされる。

無口、寡黙、職人風だが、泣き虫でもある。「娘に会いたい・・」とつぶやいて泣く。酒を飲んでも娘を思い出して泣く。単身赴任が辛いのではなく、娘に会えないのが辛いのだ。愛娘の自慢を話すと、約2時間は話せる。止まらない。部下も「何度同じことを聞いても、初めてのように聞きます」と心得ている。

釜石では、郷土芸能の「虎舞」の名手。地元の太鼓グループのメンバーでもある。こよなく三鉄と娘と郷土を愛するナイスガイである。